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 第154回通常国会の開会にあたって


 みなさま、こんにちは。鈴木 寛でございます。早いもので、当選してから約半年が経過しようとしております。いよいよ、1月21日より、通常国会が始まりました。昨年秋の臨時国会に続き2度目の国会です。今国会での私の役割は、引き続き代表室次長として鳩山代表の様々な意思決定、演説、質問などのお手伝いをすることと、文教科学委員として、引き続きこの国の教育・文化・スポーツ・科学技術政策の充実について、リーダーシップを発揮していくことがメインとなると思われます。

 12月7日の臨時国会終了後から通常国会開会までの間、私が力をいれてきたことは、鳩山友愛外交の舞台づくりです。鳩山代表は、年末にパキスタン経由で、アフガニスタン・カブールに入りました。日本の国会議員としてははじめて、昨年の9月11日テロ以降、初のカブール入りに成功し、カルザイ議長ら新政権の首脳らとも、じっくり話しあってきました。そして、カルザイ氏自らが東京で行われるアフガン復興会議に出席すべきであるとの説得を熱心に行い、そうした鳩山代表らの強いアドバイスを受けて、カルザイ議長ご本人自ら、訪日、会議出席をその場で決定されました。また、これに先立ちパキスタンでは、民主党主催で難民支援NGO会議を開催し、参加者150名を越える大成功に終わりました。NGO会議の開催は、私が党のアフガン支援本部で提案してきたことでもあり、成功して本当によかったと思っています。今回の鳩山代表のパキスタン・アフガン訪問でも、現地に首藤衆議院議員が同行され、大活躍されました。改めて、首藤議員に素晴らしさに敬服させていただいた次第ですし、こうした方々と御一緒組んでお仕事が出来、本当によかったなと感じた次第です。

 引き続き年始は、鳩山代表に、インドに訪問していただきました。緊迫化するインド・パキスタン問題の緊張緩和に日本としても何かできないか?との思いで現地に飛んでいただいたわけです。民主党としては、11日から羽田特別代表に一方のパキスタンに飛んでいただき、説得にあたりました。この鳩山訪印は、何を隠そう、12月上旬のインド国会議事堂テロ直後から、私が中心となってインド人の友人、日本インドセンターのヴィバウ君との間で企画・準備してきたものです。今や安全保障問題のなかで最も緊急かつ重大なのが、このインド・パキスタン問題です。へたをすれば第3次世界大戦の引き金にもなりかねません。なぜか?それは、両国が核兵器を持っていますし、今までも、3回にわたって戦争が行われているのです。鳩山訪印の直前に英国のブレア首相が、直後に中国の朱首相、米のパウエル国務長官が緊急訪印され、緊張緩和のためインドのバシパイ首相らと会談されたことからも、如何に、事態が緊迫しているかおわかりになると思います。鳩山代表は1月9日から12日までの訪印でしたが、バッチリのタイミングでした。そうした重要な時期にナラヤナン大統領、バジパイ首相とも、じっくりひざを交えて戦争回避について話ができましたし、先進国の党首クラスとしては初めて、インド・パキスタン問題の元凶ともなっているカシミール地方にもフェルナンデス国防相に同行していただいて歴史的訪問を果たしました。外務省は、鳩山代表のカシミール入りを止めさせたがっていましたが、昨秋、お忍びで来日されていたカシミール州議会のダール上院議長から、カシミールでテロ頻発していること、タリバン、アルカイダなども深く関与していることなどを私は伺っていたので、是非、代表に現地にいって、昨年10月のカシミール州議会爆破テロ(40人が亡くなった)の現場などもお見舞いしていただきたかったし、テロ問題の深刻さを代表に肌で感じていただきたかったので、私とインド側とで極秘裡にことを進め、カシミール入りを成功させました。アブドラ同州首相をはじめ現地の皆様にも、日本の首脳がこの問題に大きな関心を持ってくれたということで大変に感謝され、インド中でも大きく報道されました。

日本政府のほうは、この間、インド・パキスタン問題への対応に手が回っていないようで、政治家としては小泉首相が、やっと1月16日にはじめてインド首相に電話できたというのが政府・与党側の実態でしたから、結果としてみれば、小泉首相の穴をうまく鳩山代表が埋めた形になってよかったと思います。国際的には、日本のネクスト・キャビネットの総理である鳩山代表が国際的な危機管理に具体的に一役買うことができたということで日本の外交努力に対しインドはじめ主要国からの評価も高まりました。イギリスが来て、日本(民主党だけですが・・)が来て、中国が来て、米国が来てということで、パキスタンもインド双方とも、緊張緩和に向け精力的な努力が行われ、小康状態になりつつあります。我ながら、今回の私のプロデュースは、核戦争回避、日本の外交的地位の向上、日本・インド関係の強化に、かなりお役に立てたのではないかと自負しています。

一つだけ残念なことは、日本のマスコミだけが、インド・パキスタン問題の深刻さ・重大さを十分に理解していないということです。インド側もその点が不満のようですが、マスコミの方も是非認識を新たにしていただけたらなと思いますが、マスコミがどうであれ、本当に世の中にとって重要なことを地道にやっていこうと我々は思っています。いずれ、わかっていただけるときが来ると信じていますから。

今回のアフガン、パキスタン、インドの訪問によって、現時点では日本の要人のなかで鳩山代表だけが、冷戦時代とは全くタイプの異なる21世紀型の国際紛争の現場を直接肌身で感じ、その当事者・関係者と直接対話ができている唯一の政治家ということになります。真っ先にアフガニスタン・カブールに入ったのは、鳩山さんだけです。他には、年始に緒方さんだけです。与党政治家幹部ではまだ誰もいません。鳩山代表は緒方さんよりも、パウエル国務長官よりも早く、カイザル議長に会見しているのです。インド・パキスタンに関しても、緊張激化後、まだ誰も与党政治家は現地の土を踏んでいません。こうした外交センスのなさを、批判するつもりはありません。私は、常に「他人の文句を言っている暇があったら、自分でやる」を信条としておりますから、日本のため、世界のために良かれと思うことを、これからもどんどんプロデュースしていこうと思います。そして、それを与党が真似てくれれば、膨らましてくれれば、いいと思っています。私は、民主党員である前に、日本の国会議員なのですから。

私は、こうした鳩山友愛外交の舞台回しができたことを心から感謝します。この時期に国会に議席をいただいていることの有難さをつくづく感じています。みなさまのお陰です。本当にありがとうございます。

さて、国会ですが、争点はおそらく2つ。(いつも予想が外れるところが、この世界の難しくもあり、面白くもあるところなのですが、今回は、はずれないと思いますが。)経済対策と有事法制だと思います。

多くの政策判断ミスを重ねてきた結果、日本経済は未曾有の危機にあります。専門家の間でも、2月、3月危機説がまことしやかに言われていますが、重大な局面が連続する毎日になるかと思います。

 そして有事法制問題。北朝鮮船の不審船問題もありました。空論の繰り返しではなく、真の安全保障のために何をしなければならないのか?という観点から、民主党が実のある議論を積み重ねていくことが大事だと思います。鳩山代表の年末・年始の訪問がかなり生きるのではと期待しています。内容については、まだ、与党側が明らかにしていませんので、なんともいえないのですが、そもそも有事法制ではなく、緊急事態対応法制であるべきだと思います。冷戦構造下の時代遅れの思考パターンを自民党も社会党も早く捨て去ってもらわなければなりません。結局、両者との55年体制から抜け出ていないことが大いに問題なのです。防衛と治安の区別をきちんと分けた上で、予期し得ない緊急事態に対して、人災、天災を問わず、総合的危機対応能力の強化という観点から、古びたイデオロギー論争ではなく、単なる族議員の勢力拡大のためではなく、真に国民の生命と財産を守るための実質的な議論を積み上げていけるように永田町での議論をリードしていきたいと思います。

天災といえば、先日1月17日は阪神淡路大震災の7周年でした。当時は、私の両親も神戸で被災いたしましたので、救援物資を持って駆けつけましたが、私が青春時代を過ごした神戸のあまりの変わりように愕然としたことを久しぶりに思い起しました。そして、首相官邸の対応不備によって、多くの命が失われてしまったことに大きな大きな憤りを覚え、「この国の政治を本当に何とかしなければ」と痛感したのも、あの時です。そして「誰もやってくれないならば俺が。」と本気で心に決したのも、実は、あの時だったかもしれません。

危機管理体制の整備は、私が政治家を志した重大な理由の一つです。心して、がんばっていきたいと思います。今国会も、ご支援心より宜しくお願い申し上げます。

2002年1月21日 


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