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 憲法調査会  二院制と参議院のあり方に関する小委員会

2004年03月12日 


小委員長(保坂三蔵君)

 二院制と参議院の在り方に関する件を議題といたします。
 本日は、二院制と参議院の在り方をめぐる論点について、参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。《一部略》

 〜中略〜

○鈴木 寛
 是非、この調査会で一つの視点を持っていただきたいということで発言をさせていただきます。
 私が申し上げたいことは、やっぱりいろんな角度、方面から代表民主制というものが危機にさらされているんだと思います。それは、いわゆる官の独走、暴走を止められない、あるいは官から攻め込まれているということについては松井委員からお話がございました。山本委員もそういう御発言だったと思います。それから、武見委員あるいは川橋委員からお話がありましたのは、やっぱり政党というものから代表民主制が脅かされていると。そして、私がお話を申し上げたいのは、三つ目、実は今民主主義の危機の中で我々が絶対に注目をしなければいけない話というのは、選挙というものが市民、有権者から愛想を尽かされているという、正にそれが投票率の低下ということに象徴されているんだと思います。そういったいろんな観点からこの代表民主制というものが危機になっているわけであります。
 もちろん、その中で代表民主制と直接民主制をどういうふうな役割分担と機能分担と、そしてむしろ機能連携とということが正に憲法上の中心的な課題だというふうに思います。しかし、今俗に言われている、非常に参議院がコピーライトであるから、国会の議事が効率的でないからという観点からのみ一院制にしていくということは、この代表民主制の危機を加速することはあれ、本来の民主主義のありよう、健全なその発展という観点からはむしろ大いに問題があるのではないかと。
 要は、今でも選挙というものが多様な人々の多様な価値観、多様な意見というものを集約をし切れていないという問題、それが衆議院、あるいはむしろ、その多様性がどんどんどんどんユニホームになっていく、単一化されていくという方向に流れていくということは、実は市民、有権者からすれば、より選挙というものが自分たちの民意というものを反映してくれる制度からどんどんどんどん遠ざかっていくということになるということについても我々は留意をしなければいけないのかということを申し添えたいと思います。
 以上です。


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