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 憲法調査会  議論・意見交換「憲法改正」

2004年05月12日 


○鈴木 寛
  民主党の鈴木寛でございます。
 今日は正に「改正、最高法規」というテーマで、憲法制定権力あるいは改正の担い手の在り方について非常に三人の参考人の方から貴重な意見を聞けたことをよかったなというふうに思っております。
 それで、やはり今日再認識をいたしましたのは、改正の担い手というのはやはり国民にある、我々、国民主権というものをきちっと認識をしていかなければいけないと、こういうことだったと思います。しかしながら、私の意見といたしましては、こうした憲法調査会での議論を機に、やはり改正の手続といいますか、国民の民意あるいは総意というものをきちっと集約をしていく、あるいはそれを盛り立てていく、盛り上げていくということについてのやっぱり議論をこの際きちっと始めるべきではないかということを認識をいたしました。
 しかし、その中で、私は多少情報とかコミュニケーションということを勉強、研究をしてきた者の立場からいいますと、国民の民意あるいは国民の総意というものは、静的なものではなくて、極めてダイナミックであり、かつ進化するものであります。我々がこの改正手続あるいは新しい憲法を作っていく、あるいは新しい憲法を新しい時代のものに、そぐうものにしていく上でやはり極めて留意をしなければいけないのは、いかにこの多様で多層な民意というものをきちっとくみ上げていくのかと、その点については極めて丁寧にやっていかなければいけないと。それから、その中で、進化をしていく、動いていくものなんだということも十分留意をしなければいけないというふうに思います。
 その中で、私たち国会議員が確かに選挙によって国民の代弁者としてこの場にいるわけでありますが、我々はどういうことを国民の皆様方から信託をされているのか、任せていただいているのかということについてはきちっと謙虚にとらえるべきではないかと。
 私が思いますに、我々は民主政治の担い手として、それに足るふさわしい見識と能力を持っているであろうということを期待され、そしてそういう仕事をすることを期待されているんだと思います。すなわち、私たちが、国会議員が担うべきは、そうした民意を醸成をしていく、きちっと国のあるべき姿について国民全体の議論を喚起し、そして的確にその議論を深めるという、正に熟議、議論を熟す、そうしたことの正に進行係あるいは編集者として、私は、国会議員というのは十分にその職責を全うしていかなければならないのではないかというふうに思っております。
 いろいろな思いというものを情報という形に抽出をする、そしてさらにそれを国家、社会全体として共有をする、そしてさらに議論をするというのは、極めてそのためのきっかけでありますとか刺激でありますとか、いろいろな議論の材料でありますとかを提供するということが必要であります。
 それから、もちろん国会というのは最高の議論の場ではありますけれども、それに至る過程では、極めて多様なフォーラム、正に議論のための公共圏というものを精緻に、かつ丁寧に作り上げていく。その中で重なり合う公共圏、議論の場というものをきちっと設定をし、その中で十二分な議論が行われ、それが十二分に抽出をされて、これは何も時間を掛けろということを言っているわけではありません。でありますが、そこに我々は多大なエネルギーを注ぎ、そして極めて意義深い国民全体の議論を喚起をすると。そのための枠組み作りあるいはプロセスというものについて更に精緻な議論と熱心な検討が必要ではないかなということを再確認をさせていただきまして、正に我々と国民の皆様方のキャッチボール、対話、これは一方通行ではなくて、そのことを行うための手続法についての検討に着手すべきではないかというふうに考えました。
 以上でございます。



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