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 共生社会に関する調査会

2002年11月20日 

○会長(小野清子君) 
 共生社会に関する調査を議題といたします。
 「共生社会の構築に向けて」のうち、障害者の自立と社会参加に関する件について、内閣府、法務省、文部科学省及び厚生労働省から順次説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。
 なお、質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行っていきたいと存じます。
 なお、説明、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 〜中略〜

○鈴木 寛 
 私は、障害者の自立と社会参加の問題とITのことについて少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 私自身も七年ほど前から、特にこの障害者の方々というのをエンパワーする非常に有効なツールとして情報技術、ITがあるということを非常に痛感をいたしまして、あるNPOの活動を一貫して支援をさせていただいております。
 このNPOは障害者の方をハンディキャッパーと呼ばずにチャレンジドと、これ英語ばかり使うなという先ほどのお話がございましたが、しかしなぜ英語が多いかというと、やはり障害というものを、あるいはそれをノーマライズしていく、あるいはインクルードしていくということについてきちっとコンセプトを、やっぱり残念ながら西欧社会の方が詰めて考えているわけですね。ですからいろんな概念が出てきたり、いろんな位置付けと。やっぱり言葉の豊富さというのはそれだけ考えているわけでありまして、したがって、日本社会もきちっと、そうした西欧社会に負けることなく新しい、やっぱりいろいろな検討と施策の結果、新しい、そして広めるべき概念を私はどんどんこういう調査会を通じて作り出していけばいいというふうに思っていますが。
 そこではチャレンジドというふうに呼んでおります。それで、正に挑戦する使命を神から与えられた人々という意味で、これはチャレンジド・ジャパン・フォーラムというのを私も立ち上げのお手伝いをさせていただいたりしております。
 それで、私の質問は、その団体では、最終的には障害者の就労支援、チャレンジドをタックスペイヤーにするという基本的な理念の下に、そういう方々がきちっとお仕事に就く、そしてお仕事を通じて収入を得る。今までは税金をもらう立場から税金を払う立場に、収入を得れば税金を払うことになりますから。そのことによって、これは単に税金をもらう、払うという問題ではなくて、誇りの問題として、プライドの問題として、きちっと税金を払い、市民社会の一員として、市民社会の在り方、あるいはそれをいったん信託をしている行政あるいは立法の在り方に対しても積極的に貢献ないし発言をしていきたいと、こういう運動なわけでありますけれども。
 そうした中で、具体的に障害者の方が就労をしていくと。現在の正に工業社会、産業社会の就労形態というのは大変に就労をしづらい。そういった中でITを活用しますと、いわゆるSOHO、在宅で仕事ができる。そして、正にベッドの上で雑誌の編集をされたり、ベッドの上でコンピューターソフトウエアのプログラミングをされたり、あるいはコンピューターグラフィックスをやられたり、非常にすばらしい、いわゆる健常者がおやりになる仕事を上回る、仕事の成果としてきちっと競争力のあるお仕事をされている方が具体的に出ております。
 そういう方々には、まずはいわゆるパソコンをその方々の障害に応じてボランティアスタッフが改良をします。ですから、手が御不自由な方というのは足で使えるマウスを使ったり、あるいはキーボードのところも特殊なことを少し改良をさせていただいているんですが、そういう方々にIT教育をこれボランティアで施して、そしてあるレベルに達したならば具体的にお仕事を紹介すると、こういう一連の活動をしているわけでありますが。
 そこで、お尋ねですが、文部科学省にまず御質問をしたいと思います。こうしたいわゆる障害のある子どもたちに対するIT教育、これが今現状どうなっているのかと。特に私は二つの観点からお尋ねをしたいわけでありますが、今日御報告をいただいた資料にも、最近こうした活動をやってまいりましたので、養護学校などにいわゆるハードウエアが若干後ればせではございますが着々と整備をされているということは、私は一定の評価をさせていただきたいとは思っておりますし、もちろんこれをもっと加速的にやっていただきたいというのもあります。で、このことがどうなっているかという面と、実はやや、今日の御報告でも若干認識が弱い、欠落あるいは更にこの重要さを認識していただきたいと思うのは、指導する教員の問題であります。
 この正に障害を持った児童生徒に対してITを教授するというのは、これ非常に経験とノウハウの要る仕事でありまして、私もそうした方々にITを指導させていただいている経験もあるわけでありますけれども、かつ本当にもう一対一に近い状態でこれをやっていかなければいけません。そういう意味で、こうした障害を持った子どもたちにITを身に付ける上での人的な支援体制について是非お伺いをさせていただきたいというのが文部省についての御質問であります。
 そして、次に厚生労働省への御質問でありますが、そうした教育行政の充実によってある程度ITが使えるようになりましたと。で、なった方大分いるんですけれども、なかなかやっぱりこれ就労というところにはいきません。これは是非御検討いただきたいと思いますし、御検討いただいていると思いますが、結局、障害者の法定雇用率の問題、ここの運用を変えるということが非常に重要なポイントになってまいります。そうした方々は在宅で仕事をされるということになりますから、いわゆる従来の法定雇用率が想定をしている形での就労というのはなかなか難しいわけでありますけれども、しかし、在宅で一定期間まとまった仕事を継続的に受注をすると、こうした形態は可能であります。
 これは、現行の解釈上は就業にはならないんですけれども、しかし仕事をちゃんと定期的にもらって仕事をしていくということでは就労にはなっているわけでありまして、こうしたことも法定雇用率の対象としていただきますと、いろいろな企業が積極的にそうした在宅の障害者に対して先ほど申し上げたような種類の仕事を出していただけると、こういうことになりますので、是非この点について御検討をいただきたいというふうに思っておりますので、以上のことについて、文部科学省と厚生労働省から現在の検討状況と今後の取組についてお聞かせいただければ幸いでございます。

 ≪鈴木 寛 発言のみ抜粋≫  


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