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 文教科学政策実現に奮闘!
   私スズカンが、ライフワークとして取り組んでいます文教科学政策ですが、その取り組みと成果についてご報告したいと思います。
 昨年二〇〇二年は、前半はサッカー・ワールドカップ。後半は小柴先生、田中さんのノーベル賞ダブル受賞に世の中が沸き返りました。今や、日本社会や日本人を明るく、元気にしてくれるのは、芸術文化・スポーツ・学術になってきていますし、個人の生活を見ても、その人生の豊かさを、モノや収入で実感することはこれから難しくなっていくでしょうから、個人の生活の文化度をいかにあげていくかが、人生の充実にも直結していくことになると思います。そうした中で、我が国の文教科学政策に日々携わらせていただいていることは、大変にありがたいことだと感謝しております。昨年一年間を通じ、文教科学関係の質疑の延べ時間がもっとも多かったということもあり、おかげさまで、文部科学省や各党の文教関係者からも一目おかれる存在になることができました。
 
 まず、高等教育ですが、私が公約として掲げておりました希望者全員奨学金問題ですが、私が議員になる前の二〇〇〇年度は給付対象者が六九万人でしたが、二〇〇三年度は八六万人に増員されました。折に触れこの問題の重要さを強調し続けてきた結果だと自負しております。この問題は、これからも一生懸命取り組んでいきます。
 大学改革は、今、相当進展しつつあります。日本の大学は、IMD(スイス国際経営開発研究所)の調査で、いつも調査対象国中最下位に近い評価でした。二一世紀は知の時代になりますが、その中心的役割を担う大学の日本におけるこの残念な状況をなんとか変えなければ、日本の未来はないという思いで、この問題に取り組んできました。今、文教政策関係の国会議員の中で大学の教壇に立っていた経験があるのは、私と元東大総長の有馬先生くらいですので、そうした意味からも、私の役割の重要さをひしひしと感じながら改革に取り組んでいます。民主党の大学改革プロジェクトチームの事務局長として、この一年、文教科学委員会での大学問題集中審議をはじめとして、文部科学省と頻繁にコミュニケーションをしながら、学校教育法の改正にこぎつけました。 学校教育法の改正の中で、まず、専門職大学院制度というものを発足させました。今まで大学院というのは、主として研究者を養成するための機関でしたが、今後は、法律・ビジネス・医療福祉管理などの分野をはじめとする高度専門職業人の教育を行なうことを目的とした大学院が作れるようになりました。この制度を活用して、まずは、ロースクールがこの数年で、多数開設されます。
 また、通産省及び慶応大学助教授時代から、強い問題意識をもっていました「学部学科の再編の自由化」もかなり進展しました。すなわち、今までは、学部・学科を新設・改組しようと思うと、文部科学省の許可をとるために膨大な時間と手間を要しましたし、一旦許可をもらうと、最低四年間カリキュラムを変更できないといった問題などもありました。今回の学校教育法改正で許可制から届出制に変更になりましたので、これからは大学の判断で、よりよい学部・学科を組織できることになり、これからの社会に必要な人材の育成がより柔軟に各大学ともできるようになります。さらに、二〇〇三年の通常国会で、国立大学法人法が審議されることになりますので、大学改革は、五〇年ぶりに、山が動き始めたところです。こうしたことによって、大学ビックバンが起こり、大学間の切磋琢磨が本格化すると思います。
 初等中等教育についてですが、二〇〇二年度から、コミュニティ・スクールのモデル校事業が始まったことについては、皆様にも、既に、ご報告させていただきましたが、この秋の臨時国会では、構造改革特区法案が審議されましたので、そこに、我々の従来からの主張をいろいろと持ち込みました。今の日本における初中等教育改革で重要なことは、現場重視への転換です。そうした観点から、将来の学校教育法改正の布石として、学習指導要領や教員人事などについて、現場裁量権の拡大を構造改革メニューに頭出しすることはできました。コミュニティ・スクール構想とあいまって、半歩前進したと思っています。まさに、二〇〇三年、二〇〇四年、二〇〇五年は、初等中等教育改革についての正念場になると思っています。
 文化・スポーツ政策については、NPOに対する寄附税制の実現に向けて、がんばっています。昨年秋の臨時国会中も、野村万之丞さんや、三枝成章さんたちと、国会議員などの理解を深めるためのアピール活動を精力的に行ないました。ただ、税制は、自民党税制調査会がほとんど独断的に決定していますが、自民党税調の幹部は、八〇歳台以上で、NPOの大事さそのものについて、なかなか理解が得づらく、NPO税制が立ち遅れているのです。この政策の実現も、政権交代が鍵となっています。ただ、臨時国会において、議員主導でNPO法の改正を行ないましたので、幾分、道は拓けてきたかと思います。この問題は、私のライフワークの一つですので、めげずに、今後さらにがんばっていきたいと思っています。
 今年は、教育基本法改正が懸案になると思います。私は、教育基本法を改正するエネルギーがあるのであれば、他にやるべき緊急の課題が文教政策にはたくさんあると考えておりますし、教育基本法を変えれば、教育現場がたちまち改善されるほど、教育の現場は甘くないと思っています。さりとて、脱産業社会の文脈で、つまり、情報文化社会の到来に対応して、教育基本法の内容を議論し直すこと自体は、意味があると思っています。改正の中味にかかわらず、変えることにただ反対を唱えるだけの姿勢もいかがかと思っています。仮に、教育基本法改正が国会に上程されるのであれば、より二一世紀に相応しい対案をもって議論に望み、どちらがよりよい教育基本法か国民の皆様に問いたいとの思いは、個人的には持っております。国会が教育をめぐって、正常な言論の府になることを期待していますし、私も努力するつもりです。

 様々な政策づくりに携われば携わるほど、充実した生活、充実した社会を創っていくための基本は、「人づくり」だなということを、つくづく痛感しております。しかし、この「人づくり」が、予算措置などを見ても明らかなように、自民党が多数を占める国会ではいまだ最重要政策課題になっていません。そうした中で、粘り強くがんばっていきたいと存じます。より一層のご支援をお願いいたします。

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