2007年05月24日 文教科学委員会

水岡俊一君

ありがとうございました。

私事で毎回恐縮ですが、私は教育実習を合計二か月しました。それは、最初の免許状を取得するときに一か月の実習がありましたし、副の免許状を取るときに 二週間の実習が要りましたし、それから、私は後で小学校の免許状も取りましたので、このときに二週間また要りました。合計八週間やったのでありますが、私 自身振り返ってみると、もっとやりたかったなという思いも実はあります。オリエンテーションをしながら、もうあっという間に子供たちと別れなきゃいけない ときがやってきて、自分が本当に子供たちと何をやったのかなと、何を子供たちの中に、自分の中に見付けることができたかなということを考えると、やはり短 いなという思いを持ちました。  

それから、一つ、大臣、僕申し上げたいのは、私の仲間、多くの仲間が一緒に教育実習を受けました。教育実習が終わると、はっきり分かれるんですよ。何と しても教員になりたいという友達と、やっぱり自分には何だかちょっと向かないなという顔つきをする友達と、はっきり分かれるんですよ。やっぱり、その後 に、教員採用試験の準備に掛ける熱意であるとか、そういったものも変わってくるということで、教育実習というのは、本当に大きな大きな、自分にとっても、 その教員になるという一つの過程の中にとっても大きなハードルだというふうに私は思うので、今後もこういった観点を是非お考えをいただきたいなと、こう 思っているところであります。

重ねて民主党の発議者にお聞きをしますが、民主党は、採用されてから八年ぐらいをめどにして改めて大学院で一年間の研修を行うことを一つ考えていると、 こういう法案を出されました。この点についてのお考え、それから、その一年間の中身としては例えばどんなことが想定されるのか、是非お聞かせをいただきた いと思います。

鈴木寛君

お答えを申し上げます。

御指摘のとおり、教員の皆様方には、実務に就いて八年たった段階で教職大学院等でもう一回、その八年間を総括し、そして自分の資質、能力というものを更 にどう磨いていくのかと、そういうことも考えていただき、そして学び直していただく、そういう機会をつくりたいと思っております。

具体的には、学校経営、正にこれから教頭先生あるいは副校長に今度なればなるんでしょうけれども、そうしたやっぱり学校をどういういい学校にしていく か、このスクールマネジメントという方向に進んでいきたい、あるいは進んでいかれることに適した方、こういう方のためのコースでありますとか、あるいは スーパーティーチャーという言葉がありますが、例えば算数を教えさせたら本当にどんな子でもうまく分かるように、そうした教科指導をもっと究めていきたい とか、あるいはやっぱり生活・進路指導と、今、いじめの問題、心の問題、いろいろございます、それからやっぱり中学生にもなれば、これから将来どういうふ うに自分の人生をつくっていくのかと、こういったことの指導それからカウンセリングというようなこともこれから非常に重要になってくるかと思いますが、そ うした三つぐらいのコースを学んでいただいて、そしてその結果、専門免許状を取得をしていただこうと、こういうふうに思っております。

私どもは、今回のこの教員免許改革法案において、やはり先生方が一番望んでおられるのは、確かにお給料とかもあるかもしれませんけれども、やっぱり自分 をもっともっと高めていきたいという思いをほとんどの方は持っておられると思います。そうした皆様方に是非、そういう思いを持っているすべての教員の皆さ んにチャンスをお与えをしたいというふうに思っておりまして、でありますので、任命権者にも、この教員免許改革法案の中では、大学院修学、専門免許状取得 のための機会を提供する義務をやっぱり課すと。それから、当然そうなりますと一年間修学のために教員は現場を離れなきゃいけませんから、当然その分は定員 できちっと補充をしなければいけない、こういうふうに思っております。さらには、特別の奨学制度も設けて、万全の体制、環境を整えて、もう一回自分の資 質、教育力、指導力を磨き直してくださいと、こういうことを盛り込んでいるところでございます。

これだけ十分な機会を提供し、そうした機会がありながら、十年経過してもなお免許状を取得しないという教員、まあこういう教員はほとんどいないとは思い ますが、そういう教員に対しては、演習を含む約百時間の講習を義務付けて、その講習も嫌だ、受けない、あるいは修了できないと、こういう方は、その何とい うんですか、教師を続ける意欲としてこれはいかがなものかということでございますので、そこは免許を失効させていただくと、こういう考え方で、教員の八年 たった、本当に学校における中核な人材にこの三十代になっていくわけでありますけれども、その前段階でそういう研さんのチャンスをきちっと確保しようとい うことを考えているところでございます。

水岡俊一君

ありがとうございました。

私も民主党案に多少かかわった人間として、やっぱり私たちは専門職としての学校教諭、教員の専門性、そういったものに着目をしたいという思いがそこにあったということが今の御説明でもお分かりだというふうに思うんですね。

そこで、教育の専門性という言葉については、これは文科省の方はどういうふうにとらえておられるのか、是非この機会にお聞かせをいただきたいと思います。

<中略>

蓮舫君

民主党・新緑風会の蓮舫でございます。今日は質疑時間をいただきました。どうぞよろしくお願いいたします.

先ほど私どもの同僚の水岡議員の質問に対して、とても見識、良識ある伊吹大臣の御答弁とは思えなかったんですが、私どもの案に対して、アイデアだけなら だれでもできるんだと、あるいは理想を持つことはもちろん大事だと思われますが、理想だけでは現実は動かないと答えられました。確かにそうでしょう。で も、人を育てる教育においては、私たちは崇高な理想を持って、その理想に近づけるために現実の制度設計を変える仕組みを御提案をさせていただいております ので、理想を持たなくて現実を変えていくというのは、これは妥協なんですよ。改めてこれは、申し訳ございませんが、私ども民主党の発議者にお伺いをします が、これはアイデアだけではないんだということをちょっと一言御答弁いただけますか。

鈴木寛君

お答えを申し上げます。

まず、私どもは法案という形で提出をさせていただいております。これは衆議院、参議院の法制局の皆様方にも大変に御尽力をいただいて、そして調査室の皆 様方、そして多くの学者の皆様方からもお知恵をかりて、正にこの国会に、アイデアだけではなくて、きちっとすべての制度との調整、調合を取りながら提出を させていただいているということなんです。

それと、もう一つ申し上げますと、私は六年間この文教科学委員会に所属をさせていただいております。西岡先生も中曽根先生も御一緒させていただきましたけれども。この六年の間でも二回やっているんですよ。
 一つはロースクール。これも大変な改革でありました。しかし、国民の皆さん、司法改革という文脈の中で、法科大学院という世の中に、アメリカにはありま したけれども、日本に全く存在しなかった法科大学院というものをつくり、今では六千人掛ける二、一万二千人の方々がそこで学んでいらっしゃるわけでありま す。そして、その定員をどうするのか。既存の司法試験の合格者と新しい法科大学院の合格者と、これはもちろん段階的に、すべての制度というのは新しい制度 を導入する移行期間というのがあるのは当然でありまして、そうしたことを的確にやっていけばいいわけであります。

それから、これも文教科学委員会で議論をさせていただきまして実現をいたしましたが、薬剤師。これも、六年制という法案をこれは文部省がお出しになっ て、そして我々で、そのための手当てはどうするんですかと。確かに、それを実現するためにはいろいろ大変なことがあります。しかし、これはやらなければい けない。命を守る薬剤師という大変大事なお仕事だ。

ということで、いろんなノウハウは既にこの文教科学委員会の議論の中をもう一回ごらんいただければ幾らでもあるんだと。結局は、私はやる気の問題、気概の問題だと思います。

何で六十年ぶりに、戦後初めて教育基本法を改正する、我々はそれに対して日本国教育基本法案、出させていただきました。少なくとも国民の皆様方には、六十年ぶりの改革をやれなければ、それはこの議論、この国会、私は意味がないと、このように思っております。

結局、政治家が主導でやらないと、教育改善運動をやっているわけじゃないんですよ、教育改革運動をやっているんです。今までの土俵の上でどういういいこ とができるのか。これは、私も大臣も以前公務員やっておりましたが、それは公務員の方にお任せをすればいい。しかし、土俵自体を変えるというのは、そうい う思いで私も正に国民の皆さんから直接信託を受けてこの委員会の場に立たせていただいているわけでありますけど、それこそ正に政治的リーダーシップで、い わゆる既存の役人の常識を取っ払って、本当に教育のために、日本の将来のために何がいいかと、そういう議論をさせていただいて臨ませていただいているとい うことでございます。

国務大臣(伊吹文明君)

ちょっと、ちょっとそれは、一方的なことは駄目だよ。

委員長(狩野安君)

伊吹文部科学大臣。

国務大臣(伊吹文明君)

じゃ、委員長のお許しをいただいて。

鈴木提案者から今お話がありましたが、ロースクールや薬剤師とは今回の御提案はけたが違います。それはもう、けたが違う、もう大変大きなものです。

私は、先ほど来申し上げているように、理想がなければ政治をやっている値打ちはないと、これは私は申し上げているんです。しかし、理想だけでは政治はできないということです。

つまり、どういうことかというと、今おっしゃっていることが、法律としてお出しになったということが、理想じゃなくて、現実的提案じゃないんです。これ は先ほど正に水岡先生がおっしゃったように、受入れ大学院の整備をすればどれぐらいのお金が掛かり、そして二年間の定年延長により国と地方のお金がどれだ け掛かり、一年間の大学院進学でその間の代替職員がどれだけ増員になり、どれだけのお金が掛かり、その総額はこれだけでありますと、その財源をこのように 調達をいたしますと、それで初めて政策になるんだということを申し上げているわけです。

鈴木寛君

まず、定年延長の議論ではございません。確かに財源は掛かります。で、これは私ども民主党におきまして、正にコンクリートから人づくりに予算 を振り向けていくんだと。要するに、日本という国はGDPの三・五%しかこの教育にお金を使っていないと。これはOECD三十か国中三十番目ですよ。これ でどうして教育改革と言えるんでしょうか。

したがって、私たちは、もちろんいろいろ、行政改革も大事、いろんなことも大事だけれども、やはり教育というのは一番大事だということで、OECD平均の五・二%に引き上げるという方針を大議論の末決めております。

しかも、(発言する者あり)いや、財源は持ってこれます。私どもは、平成十七年度の予算、平成十八年度の予算できちっと対案という形で全部積み上げさせ ていただいて、どの部分を切るかということも全部お示しして対案を出させていただいております。自民党さんではできません。なぜならば、官製談合も直せな いし、それから天下り規制もできない。この無駄遣いを除くだけで六兆円の財源が出てくるということは出ています。その兆の議論をしなくても、この修士化に 伴う恐らく財源の増は二千億円から三千億円ぐらいだというふうに計算をいたしております。

この六年間をもう一回振り返っていただきたいんですけど、結局小泉政権のときに、義務教育国庫負担制度の中で、正に二分の一負担を三分の一負担にへずら れて、そして教育費、教育人材確保のための予算を逆の意味でとんでもないカットをしているわけであります。その水準にもう一回きっちり戻して、そして更に その無駄遣いを削って、年間二千億なり三千億の予算をきちっと手当てをしよう。(発言する者あり)いや、もちろんそうです、それは。だからこそ地方も、い つも大臣がおっしゃっているように、国の、国家の決める法律というのは地方も教育現場もありとあらゆる現場を拘束するわけであります。

その中で、正にそうした予算もその五・二%に増やすという中で十分吸収をできるという裏付けを持って臨ませていただいておりますので、是非その点は御理解をいただきたいと思います。