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169-参-環境委員会 平成20年05月22日

 

中川雅治君

土壌汚染対策法の施行から五年以上が経過しまして、この間、法律に基づいた土壌汚染の調査、対策が行われてまいりました。そのような中で、法律の施行を通して浮かび上がってきた課題や法制定時に指摘された課題をもう一度検討することが必要な時期を迎えたことは確かであると思います。
環境省においても、土壌環境施策に関するあり方懇談会を設置しまして、土壌汚染対策の新たな施策の在り方について検討を行い、既に報告が出ております。
今、鴨下環境大臣からお話がありましたように、環境省におきましても、この報告を踏まえて中環審、中央環境審議会に諮問をして更なる検討を行い、政府提案で、いずれといってもまあそう遠くない時期に土壌汚染対策法の改正案を出そうとしていると聞いているわけでございます。土壌汚染対策法の改正案を出すのであれば、付け焼き刃的な改正案ではなく、法律の施行を通して浮かび上がってきた様々な課題を解決し、皆が納得できるような改正案でなければならないと思います。
私は、民主党提案の本改正案は甚だ不十分な付け焼き刃的な案であると言わざるを得ないと思っております。その理由はこれから申し上げますが、なぜ急いでそのような改正案をお出しになる必要性があるのか、そこをまずお伺いしたいと思います。

委員以外の議員(鈴木寛君)

 

今付け焼き刃的という御発言がございましたが、そもそも、先ほど大石当時の委員長からの提案にも、御発言にも、御説明にもございましたけれども、この土壌汚染対策法、当時のいろんな経緯によって十分に審議ができなかったけれども、必要性に応じて可決をしたと。順次、必要に応じ、可及的速やかにその不備な点が見付かった場合には見直していくというような経緯であったということは先ほどの御説明のとおりでございますと。
そもそも、先ほどの大石提案者の御説明にもありましたけれども、附則の三条を付けて、築地の移転先である豊洲などの有害物質の使用施設の跡地を土壌汚染対策状況調査の対象から外した現行法案に不備な点があるわけですよ。これは私も立法府の一員でありますから自戒を込めて申し上げますが、まさに誤りを改むるにはばかることなかれということがございますが、それをやろうではないかということで、今回お出しをしているわけであります。
事実、これは先生も御存じだと思いますけれども、東京都の専門家会議が十九日に都庁で開かれました。そこで驚くべき調査が明らかになったわけであります。すなわち、四千百二十二か所で土壌と地下水の調査、ボーリング調査を行いましたところ、ベンゼンは土壌の一か所から環境基準の四万三千倍の濃度が検出される土壌がありまして、要するに環境基準を超える地点が三十五か所、それから地下水で申し上げますと、五百六十一か所で基準を超えておりました。それから、シアン化合物は土壌の一か所から基準の八百六十倍の高濃度が検出されるなど、土壌では九十か所、地下水では九百六十六か所で基準を上回るという大変な深刻な事実が明らかになったわけでございます。
先ほど付け焼き刃ということを何度も何度もお話しになりましたけれども、この法案は、私ども民主党は、実は昨年の九月九日に既にこの骨子をまとめて、そして十月三十日に党としての機関決定を経て、十二月の四日に提出をさせていただいております。極めて遺憾にも約半年間この審議が行われていなかったということでありまして、このこと自体、我々は大変遺憾に思っているわけであります。
これも先生御承知のこととは思いますけれども、こうした我が党の動きによって、都の専門家会議は当初二百四十三か所の調査しかやらないと、やらなかったんです、八月のときは。それを、今回その四千百二十二か所をやったわけでありますが、それは我々の法案提出が十二月四日に正式に行われて、その後二月から開始されて、三か月間の調査結果を経て五月十九日にこの事実が明らかになったわけであります。まさに、もしも私たちがこの法案をこのタイミングで提出をしなければこの調査結果は明らかにならなかったということをきちっと申し上げておきたいというふうに思っております。
東京都の予算だけで申し上げましても、平成十九年に五百億円、そして平成二十年度で七百六十六億円の予算が計上をされております。既にPFIの特定事業選定でありますとか、この基準工事の業務要求水準、入札と、どんどん進んでおりまして、事態は一刻の猶予はならないという状況にあります。それから、この専門家会議の平田座長も、現在国会において法改正の動きがあるので、改正をされたらこの地域を指定をするということもあり得るというようなこともおっしゃっておりますので、まさに速やかな法案の可決が必要であるということを申し上げたいと思います。

中川雅治君

こういう、答弁でこれだけ時間を使われますと私の持ち時間なくなりますので、質問をというよりか、私の考えをこれからずっと述べさせていただきます。
民主党の今の御説明を伺っていますと、この改正案は東京都の豊洲新市場の土壌汚染問題をターゲットにしており、この豊洲新市場に土壌汚染対策法を遡及適用させることが最大の目的であると理解せざるを得ないのであります。
しかしながら、今、鈴木議員もおっしゃいましたように、東京都は豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議を設置し、食の安全、安心の観点から土壌汚染調査対策の妥当性について検証を行っており、この会議の指摘を受けて東京都は新市場予定地の全域にわたり土壌汚染対策法に基づく調査と同等以上の精度を持つ調査を実施したところであります。実際に敷地全体について十メートルメッシュで四千百二十二か所で土壌及び地下水を調査したとのことであります。その結果、一部地点において基準の四万三千倍のベンゼンの土壌溶出量等が確認されたとのことであります。
東京都の専門家会議では近く対策等について提言をすることとしておりますが、現時点で既に環境基準を超える土壌汚染はすべて除去する、地下水についてもいずれはすべて環境基準以下とするとの提言をする方針を固めたとのことであります。
東京都はこの専門家会議の提言に沿って対策を取るとのことでありますから、仮に民主党提案の土壌汚染対策法改正案が成立してもしなくても、実態は何ら変わらないわけであります。この改正案には緊急性があるとは思えません。ですから、東京都の豊洲新市場予定地をターゲットにしたこのような不十分な改正案をお出しになるのではなく、もっと幅広い課題を検討した上で、しっかりとした法律改正をすべきだと思います。
そこで、民主党提案の改正案の疑問点についてお伺いしたいと思いますが、まず第一に、新たに法の対象とする範囲について、公園、学校、卸売市場などの特定公共施設等の用に供する場合に限定している点であります。
東京都の調べによれば、平成十五年度から十七年度までに都の条例に基づいて東京都区部において土壌汚染対策を講じた百五十八事例のうち、学校は六件、公園は四件でありまして、卸売市場は含まれていません。むしろ、必ずしも公共施設とは限らない用途の方が多く、例えば住宅は六十件、再開発などは十一件を数えます。なぜ法の対象範囲を特定公共施設等に限定するのか、提案者にお伺いをしたいと思います。
このようにお聞きしますと、提案者の方から、住宅や純然たる私有財産を「これらに準ずる施設」で読んで、あとは政令で定めればよいというお答えが返ってくるのであれば、過去の立法例から見てもそれは困難であるということをあらかじめ申し上げておきます。
それからもう一つ、民主党提案のこの改正案は、豊洲新市場予定地を何とかして指定区域という名称をかぶせたいという意図から出ていると言ってもよいというふうに私は思うわけでありますが、私は、むしろ現行の指定区域の在り方を再検討すべきであると思います。
指定区域の在り方についてでございますが、現在の土壌汚染対策法では、指定区域になった場合、覆土や封じ込めなどの対策が講じられても、汚染が完全に除去されない限り指定区域が解除されない。つまり、覆土や封じ込めなどの対策が講じられて通常の使い方なら健康に影響が生じないような区域も、このような対策が全く講じられない区域も、現行の法律上は指定区域として同じように表現されてしまいます。
指定区域の指定とその公示は、土地取引に必要な情報を共有するために必要なものではありますが、このような一律的な区域指定によりそれぞれの土地の汚染による健康リスクが正しく理解されず、不動産としての資産価値が不当に低く評価され、さらには塩漬けにされてしまうという問題が生じています。
そこで、対策を講じた場所については、対策を講じたんだということが分かるように区分することが必要ではないかと考えます。このようにすることにより土壌汚染のリスクが正しく理解され、また不動産の適正な評価がなされることにより、いわゆるブラウンフィールド問題の解消にも効果があると考えております。
指定区域になっても、対策を講じた場所については対策を講じたことが分かるように別の区分として表示し管理していくことについて、提案者はどのようにお考えなのかということをお伺いします。
こういったようないろいろな問題、まだまだ詰めていかなければならない問題がたくさんあるわけです、ほかにもまだございますが、豊洲新市場をターゲットにした改正案でこういった、取りあえずこういう不十分な法案を出されているわけですが、まだまだ検討すべき、詰めなきゃいけない課題があります。これは現に環境省において詰めているわけでありますから、それを待ってしっかりした改正をすべきだというふうに私は思います。
以上でございます。

委員以外の議員(鈴木寛君)

 

先ほど環境省で詰めていると、恐らくこの三月三十一日の土壌環境施策に関するあり方懇談会御報告のことを触れられておるんだと思いますが、私も読ませていただきました。
先生は、この法律あるいはこの懇談会に基づく改正案ができれば築地のような例も対象になるというふうにお考えなのかもしれませんけれども、よくよく読んでみますと、「一定規模以上の土地改変あるいは土地売買等の際に」というふうに書いてあるわけですね。そうすると、この築地の話はもう売買終わっておりますから、この環境省の考えておられるお考えに基づいて改正案がなされても、今回お出ししている問題は対象にならないということをまず前提として御理解をいただきたいというふうに思います。
それと、先ほど東京都の専門家会議はもう対策を講じているというふうなお話がありましたが、そこについても私と認識が違います。
まず、これは最終的なものではございません。単なる新聞報道でございまして、専門家会議がどういうふうな対策を取るのかということについてはまず不明であります。そして今、仮に報道されているような対策案が十分なのかということについては、専門家からもこの対策では不十分だという声が大変多く指摘されているわけでありまして、したがって、東京都専門家会議は十分な対策を講じているというところは、私はそのように思っておりません。したがって、きちっとこの法律に基づく土壌対策、汚染対策が行われるべきだということを我々は認識しております。
それが証拠に、先ほど大変な深刻な調査が出ましたが、この土地は実は、東京ガスは、元の所有者ですけれども、きちっと平成十三年から十八年まで対策を行って汚染拡散防止措置完了書を提出された土地なんです。その土地を再度この二月から五月にかけて調査をしてみたところ、先ほどのような深刻な結果が出ているということでありますから、特に、先ほどの先生の御質問にもなりますけれども、なぜ特定公共施設をやるのかという御質問ですが、極めて市場とか公園とか学校のように社会的な経済的な影響が極めて高いものには、慎重の上にも慎重を期して対応をするということが必要でありますので、したがってこの枠組みにきちっとのせて、そして十分な議論を行うということが必要で、それを単に都の専門家会議あるいは一都道府県の、法律の枠組みの外での対応に任せるということでは、我々国会として国民の皆様方の生命と財産に責任を持てないというふうな判断でございます。
それから、御提案のございましたいわゆる区分の表示ですね、対策済みの区分の表示、これについては、もちろんこういう御議論があることは私たちも承知をいたしておりますが、単に汚染除去の措置が講じられたということをもってそれを表記するということでは私どもは不十分だと思っています。
すなわち、汚染の除去の措置が講じられても、その後にどれだけのリスクが残っているのか、要するに除去ができたのかできていないのかということについてもきちっと情報提供をしないと、ああこれはもう措置済みなんだなということで、あたかも今なおリスクが残っている土地について安全であるかのような誤解を与えてしまうという危険性もございますので、御提案の点についてはなお一層の検討が必要だというふうに思っております。

中川雅治君

 

政府提案の内容はまだ全く分からないわけでありまして、これから遡及するということで考えて、やはり一定規模以上の土地を改変しようとするときは、まず履歴を調査して、問題がありそうなところは汚染調査をするというふうに、広く網をかぶせて土壌汚染調査をすべきだというふうに私は思います。
そういう意味では、民主党のように、施行前に使用され、使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る土地というふうに限定し、しかも特定公共施設等の用に供するというふうに限定するのはどうかなというふうに考えます。マンションとかいろいろな商業施設とか、たくさんそういうものもやはり必要な場合があろうかと思います。
それから、東京都の対策は、これはまだ正式な報告はこれからという、提言はこれからだということでございますが、この専門家会議が、私が伺ったところによれば、汚染土壌については環境基準を超えるものはすべて除去する、そして地下水はすぐに除去というのは難しいので、いずれは環境基準以下にすべてすると、こういう提言をするんだという方針を固めたというふうに伺いました。それを申し上げております。
それから、もちろん、指定区域につきまして対策を講じたんだということを表示するだけで不十分だということは私も同感で、そんなことは申しておりません。やはりその後きちっと管理をしていくという、そしてまた情報公開をして、どういうリスクがあるのかということを住民の皆様に提供していくということは当然のことでありまして、その点は特に鈴木議員と意見が違うわけではないと思います。しかし、そういったものが、そういった検討がこの法律に落ちているということを問題にしているだけでございます。
以上で質問を終わります。