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文部科学委員会 平成20年06月04日


山口(壯)委員

 民主党の山口壯です。
 この研究開発力強化法案、これについて、私は先日、GXロケットについて大臣に伺いました。今回、この研究開発をどう強化するかということとの関連で、法案を見てみれば、JAXAのこともしっかり書いていますし、そういう意味で、どういうふうにGXロケットを位置づけるかということがまず最初にあると思うんです。
 前回もお聞きしましたけれども、十八年の十二月二十六日の総合科学技術会議有識者議員という形で、「GXロケットに関する戦略重点科学技術の位置付けについて」という中で、GXロケットについては、「これを戦略重点科学技術の施策の一つに位置付ける。」ということがまず一つあります。
 それから、さらに、十九年の一月十二日には、文部科学省と経済産業省、この二つで、「GXロケットの位置付け」として、「GXロケットについては、我が国の宇宙輸送系における「中型ロケット」として明確に位置づけ、政府として着実にその開発を支援する。」こういうふうに書いています。
 大臣、この方針にまず変わりはないでしょうか。

渡海国務大臣

 基本的な方針に変わりはありません。
 ただ、いわゆる民間側から、今回、今のままのこれまでの役割分担では、このまま進めていくことが難しい、だから、民主導と言っていたものを、官の役割というものをふやしていただきたい、こういう要請があったことで、現在、その場合に、このプロジェクトが本来の目的、そういうものにかなって、今後JAXAとしてやっていけるかどうか。今の宇宙開発委員会の位置づけというのは、JAXAの役割について審議をするということになっておるわけでありますから、そのことを今御議論いただいていると御理解をいただきたいと思います。
 委員の質問にお答えするとするならば、これは、そのことについては変わっていないという前提で、今議論が行われていると承知をいたしております。

山口(壯)委員

 大臣から、変わっていないということがありました。
 ただ、最初の答弁で、基本的にはそうなんだけれども、ただという、この辺のニュアンスがとても気になるんです。
 その中で、先週の金曜日に読売新聞が記事を出しました、「GXロケット中止へ」と。非常に衝撃的なわけです。大臣はその後、車寄せのところでしょうか、記者会見をされて、私は、正式な記者会見のようにもちょっと思えないんですけれども、そういうことはないというふうにおっしゃったように思いますけれども、この場でもう一度、きちっと、この記事について、どこまで正確で、あるいは全くそのような事実ということはないのか、お答えいただけますか。

渡海国務大臣

 中止が決定したという事実はございません。また、たしか、この質問通告、私は、これは政府委員が答えることになっていたから細かくはちょっと見ていないんですが、中止を報告する予定だったことが延期をされたというような記事が載っていたやに聞いておりますけれども、そういう事実もございません。

山口(壯)委員

 それからあと、最初大臣が民主導でやることになっていたけれどもということもありましたけれども、これは、二〇〇八年一月十日の日経新聞とかあるいはまた別の記事にも、GXが国主導で開発へとか、あるいは開発は国が主導へとか、大臣が今言っておられるニュアンスというのが当時の雰囲気と少し変わっているようにも私には感じられるんですけれども、国が最初主導で、あるいは、官民と言いながら、こういうロケットとか宇宙開発というものに対しては民が主導でということは、最初からそもそもリスクが大き過ぎると思うんです。
 H2Aに関してはすべて国がやってきた、そこに三菱重工が大きくかかわっているということはあっても、それは国が主導でやってきているわけですね。今回、官民ということでやっていますけれども、途中で国がすっと引くようなことがあれば、もうこれから官民共同ということは、だれもやってこないんじゃないのかと。特に、日本の研究開発というのは国よりも企業の方がたくさん頑張っているという現状がありますから、そういう力を活用しようと思ったら、官民共同でやったのに最後に国がはしごを外したという前例は絶対につくるべきじゃないと思うんです。大臣、いかがですか。

渡海国務大臣

 はしごを外したということでないから今審議をいただいているわけです。
 山口議員の議論にも多少無理があると私は思うんですね。官民共同であることには変わりがない。しかし、役割分担としてどういうふうにしてやっていくかというのは、これまでも何度も話し合いがされて取り決めがされた。その前提条件が変わってきたわけでありますから、それはどっちに責任があるとかそういうことではなくて、今後、国がこの研究にかかわっていく中で、今までのやり方で、しかも、その後の延長線上でやれるかどうかということは、これは今後新たな税の投入ということをやっていくわけでありますから、ちゃんとそれは説明責任があると思うんですよ、国には。私はそう考えますよ。
 そのことを前提に、要するに、この意味づけというものが、当初、質問の冒頭で聞かれましたね、要するに、この意味は変わっていないですねと。その意味をちゃんと実現し得るのかどうか。中型で、しかも、H2のこれはバックアップですから。エンジンのシステムとしては、バックアップということは、このシステムでやれるということが今わかりつつあるわけですから、それはいいと思うんですね。ただ、現実に、いわゆる中型のものを一定のコストでこれは打てる、そういうことを今検証しているわけでございますから、そのことをきっちり検証しない段階でいろいろなことを申し上げるのは不適当だと私は思いますし、また、必ずしも、途中で引いているとかはしごを外すとか、そういうことにはならないというふうに私は考えております。

山口(壯)委員

 大臣が今H2Aのバックアップというふうに言われましたけれども、現実には違うわけですね。H2Aは液化水素で噴射する、このGXはLNGでやっていく。全く違うわけです。しかも、GXについては、日米共同という格好で、アメリカ側の技術的なアドバンテージというものも取り入れることもシステム的にできる。大臣も御存じのとおり、アメリカでの打ち上げというものも、当然のことながら、ロッキードとの共同で可能になる。
 バックアップという位置づけは、三菱重工はそういうふうに言いたいと思いますけれども、やはりいろいろな企業の立場がありますから、そういう意味では、余り一つの立場にとらわれずに、むしろ大きな立場で日本の研究開発力の強化という観点からこの問題は取り上げていただきたいと思います。

渡海国務大臣

 後、参議院の本会議がありますから、余り長く時間を使えないですが。
 バックアップというのは、実は従来からこれは確認をされてきた、しかも、GXを進めようという方々がいっぱいいらっしゃいます。それは、私もいいと思うんですよ。バックアップというのは、H2がだめなときに違ったシステムでやれる、要は、一つのシステムのエンジンだけでは心配だという意味でバックアップということを使っているわけでございますから、今、山口委員が言われたようなことではありません。そのことだけは申し上げておきます。

山口(壯)委員

 今大臣からも、GXについてはGXなりのきちっとした位置づけがあるという答弁と受けとめました。
 こういうことをきちっとやはり最後までやり遂げることの方が、今から、むしろ税金を追加的にということで心配されているという答弁がありましたけれども、ここまできちっとできているんだし、それから民間の側でもこれはきちっとやり遂げられるという見通しをはっきり言っているように私は認識していますので、その辺は、文部科学省として、あるいは政府として、研究開発力をこれから大局的に見ていくという観点から、むしろ後押しをしていただきたいと思うんです。
 法案提出者にお聞きします。
 こういう今の答弁を聞いて、この研究開発力強化法案を出された提出者として、どういう感想あるいはビジョンをお持ちか、お聞きします。

佐藤委員長

 参議院議員鈴木寛君、簡潔にお願いします。質疑時間が経過していますので。

鈴木(寛)参議院議員

 はい。
 お答えを申し上げます。
 実は、私は、NASAの附属研究機関のJPLと超高温材料研究センターの共同研究協定の取りまとめということをした経験がございます。やはり、アメリカの今日の宇宙開発というのは、大変膨大な試行錯誤の積み重ねの上に今日の国際的競争力があるということを痛感いたしました。
 今御指摘のGXロケット、これは中型ということで、ある意味で、彼我の差がある日米の差を埋めていく、もちろん協調のもとでですけれども、そういう、非常にコンセプトとしてもエリアとしても有望なプロジェクトだと思っております。
 我が国は、このような分野における、もっと、懐の深さといいますか、やはり研究開発というのは試行錯誤なんだ、だからこそ、国も参画をして支援をしていくというような大きな姿勢でもって、国を挙げて抜本的に取り組んでいく、そういった体制とそして環境を整備していく、これが今回の研究開発強化法の本旨でもございますので、その中でこのGXプロジェクトもきちっと位置づけて取り組んでいくのが望ましいというふうに考えております。

山口(壯)委員

 大臣、はしごを外すことがないように、しっかりとよろしくお願いします。
 終わります。

佐藤委員長

 以上で山口壯君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井郁子さん。

石井(郁)委員

 日本共産党の石井郁子でございます。
 時間がありませんので、直ちに質問に入らせていただきます。
 法案は、第十二条で若年研究者の能力の活用をうたっております。若年研究者の現状は極めて深刻であります。我が党は、党のホームページ上で若手研究者の現状のアンケート調査をしているんですけれども、ポスドクの方から切実な声が多く寄せられております。
 一例を挙げますと、ポスドクは数年で契約が終わる、精神的にも経済的にも安定した生活を送ることは不可能。企業、研究職、ポスドクの募集はすべて年齢制限がある、将来は研究とは全く関係のないアルバイト生活を余儀なくされるのだと暗い気持ちですということなんですね。
 ポスドクは半年から三年の短期雇用です。その後の就職先が見えない、民間企業も採用してくれない、大学や研究機関の安定したポストも基盤的経費の削減でどんどん減っています。任期後の将来像、将来が見えないわけです。
 そこで、提案者にお聞きをします。経団連の昨年三月の「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」を見ても、博士号取得者の活用というのを求めている。ポスドクを研究プロジェクトに積極的に参画させることを求めています。しかし、こうした形のポスドクの活用は短期雇用のポスドクをふやすだけでした。法案の若年研究者の能力の活用には、安定した研究職をふやすという中身を含んでいるのでしょうか。

鈴木(寛)参議院議員

 お答えを申し上げます。
 今、石井先生の御指摘、我々も基本的に同じ問題意識を共有しております。
 御指摘いただきました法案の第十二条で、あえて「若年者」という文言をきちっと盛り込ませていただいたのも、同じ問題意識でございます。
 御質問の、安定した研究職をふやすということを含んでいるのかということでございますが、これはきちっと含んでいるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 加えまして、今回議論の中で、今まで、やはり競争的資金、これも充実が大変必要でございますけれども、ポスドクの場合は独自にこの競争的資金をとるということは不可能なわけですね。そういう中で、将来はそういうものをどんどんとっていただく人材に育っていただくためにも、運営費交付金を十分確保して、そして安定的にポスドクの皆さんが研究テーマの縛りもなく取り組んでいただくということを想定して応援していく、そういうことを考えている法律でございます。

石井(郁)委員
 次に、人件費の問題なんですが、人件費削減ということについても触れていないのはいかがかなというふうに思われます。
 政府は、人件費五%削減、国立大学と独法研究機関に押しつけてきたわけでありまして、国立大学は法人化後、人件費四百七十九億円の削減になっているんですね。これは、旧国立大学時代の助手の初任給は年収四百五十万円でしたから、一万人分に当たる人件費になるわけです。こういう人件費削減が助手や助教の採用を抑制しています。
 なぜ人件費削減をやめるとかあるいは人件費増額というものを入れないのかという問題について、私は、そこの担保がなければ若年研究者の活用ということを言っても具体性が欠けるのではないかと言わざるを得ないわけでございまして、提案者にお聞きをいたします。

鈴木(寛)参議院議員

 お答えを申し上げます。
 今回、この法律をつくらなければいけないな、つくる必要があるということに至った問題意識の非常に重要なことの一つに、今御指摘の人件費、とりわけ研究者の人件費の一律カットというものが日本の研究開発力の強化に大きな障害になっているという問題意識を持ってこの法案をつくらせていただきました。
 具体的には、法案の第三十二条で研究開発法人及び大学等への柔軟かつ弾力的な資源の確保を図ることということがまず決まっておりまして、その後に、法案の第三十三条におきまして、いわゆる行政改革推進法第五十三条第一項の規定の運用に当たっては、卓越した研究者の確保や研究人材の流動化促進のための人件費を確実に確保し、研究開発法人の研究開発能力の強化等を図ることができるように配慮することというふうに明記をさせていただいております。
 御存じのように、行革推進法五十三条といいますのは、十八年度以降の五年間で、平成十七年度の水準から五%に相当する額を減少させることを基本とする。これが日本の研究開発力強化のための人材確保に大きな障害になっていたわけであります。これに対しまして、その運用に当たってはきちっと人件費を確保するという規定を盛り込ませていただいて、今御指摘の懸念に対して我々も抜本的に取り組んでいきたいということで、財務省の大変寛大な御理解と御支援も得ながら、この条項を盛り込ませていただいたということでございます。

石井(郁)委員

 大変丁寧に御答弁いただきました。その点では、政府からも本当にそれをやるんだなというような確認の答弁もいただきたいところですけれども、時間もありますので次に進みたいというふうに思います。最後に、ちょっと政府にもそれを含めて御答弁いただければと思います。
 ポスドクなどの若手研究者の就職難というのはとにかく深刻であります。やはり、民間企業が博士課程の修了者やポスドクを採用する気配がないというところも大きな問題になっているわけですね。
 毎日コミュニケーションズがアンケート調査を行っているんですけれども、民間企業の研究開発職の学位別の採用実績という結果を見ますと、博士、ポストドクターにとっては厳しい就職環境だということになっています。学部卒ですと、毎年必ず採用実績がある、ほぼ毎年採用実績があるという方は今三九・六%なんですが、大学院、これは修士課程で二二・六%ですが、それに対して大学院の博士課程は二・九%なんですね。ポスドクになるとわずか〇・二%です。
 ポスドクなど若手研究者の就職難の原因というのは、こうして見ますと、短期雇用の研究者をふやしたところに根本的な原因がありますし、やはり問題は、だれがどこからそういう要求を出してきたのかということを見ないわけにはいかないわけです。
 例えば、バイオ産業の業界団体である日本バイオ産業人会議というのが、一九九九年にバイオ産業技術戦略という提言を発表しております。そこによりますと、バイオテクノロジー産業の市場規模を二〇一〇年には二十五兆円規模にするというふうにして、そのためには研究人材が少な過ぎる、日本ではアメリカの三十分の一しかないということで、大学や大学院で生物系の教育を受けた人材を拡充することが必要だというふうに、バイオサイエンス、バイオテクノロジー分野の研究員の増員、ポストドクターの活躍の場を拡大するということが要求されておりました。
 結局、こうして見ますと、今回の法案の趣旨と同じように、産業競争力を強化するために研究人材をふやせ、ポストドクターをふやせということを産業界がやはり求めてきたわけですね。政府も、二〇〇二年にバイオテクノロジーの戦略大綱をつくるなどして産業界の要求にこたえてきました。ですが、ポスドクをふやせと要求してその研究力を活用しながら、任期が終わったらポスドクは雇わないという状況になっています。これは大変身勝手な話でありまして、まさに研究者の使い捨てと言わなければなりません。
 そこで、もう最後の質問なんですが、やはり、大企業に博士やポスドクの採用をふやしなさい、社会的責任を果たせということを求めるべきではないのでしょうか。この点では、提案者に一言と、政府からの御答弁をいただきたいと思っています。

鈴木(寛)参議院議員

 お答えを申し上げます。
 実は、私も大学で教鞭をとっておりまして、博士を一人育てるというのは本当に大変なんですね。もちろん教育者の方も大変でございますが、国の方も、博士課程に関しましては、奨学金の充実とか相当な資金も投入しているわけであります。そこまでして育てた博士が研究を続けられないというのは、これは本当に国家的、社会的損失だというふうに理解をいたしております。
 そういう中で、今回の法案の第十二条第一項において若年者を活用するということを規定させていただきましたが、第二項で、研究開発法人、大学はもとより、大企業を含む事業者による若年者の活用ということも規定をさせていただいておりまして、ぜひ民間企業の皆様方にもこの若年研究者をまさに研究の分野で活用していただきたい、そういうことを期待しているところでございます。

森口政府参考人

 今御指摘のございました、優秀な若手研究者を養成して、その人材が活躍できる環境を整備する、これは非常に重要だと文部科学省としても考えてございます。その一方で、先ほど御指摘もございましたように、ポストドクター等につきまして、任期終了後のキャリアパスが不透明である、そういうことでございますので、活躍の機会が十分与えられていないという指摘もあるわけでございます。
 このため、文部科学省におきましては、平成十八年度から、一つは、若手研究者が任期つきの雇用形態で自立した研究者としての経験を積み、厳格な審査を経て、助教等のより安定的な職を得る仕組み、これはテニュアトラック制と言っておりますけれども、これの導入に向けたいろいろな支援を行っております。それから、御指摘のございました大学の研究職以外の進路、これも含めた多様な職業選択を支援する科学技術関係人材のキャリアパス多様化事業、こういったことについても進めております。
 また、平成二十年度からは、特に企業と若手研究者が一緒になって研究をする機会を与えるという意味で、イノベーション創出若手研究人材養成プログラム、こういったものをスタートさせているところでございます。
 また、御指摘のございました産業界、このような取り組みを通じていろいろ進めてまいりますが、特に産業界に対しましては、機会あるごとに、若手研究者の受け入れ、こういったことについても要請をしているところでございますが、今後とも、若手研究者の採用をより一層進めてもらうよう働きかけてまいりたい、そのように思っております。

石井(郁)委員

 以上で終わります。

佐藤委員長

 以上で石井郁子さんの質疑は終了いたしました。
 次に、日森文尋君。

日森委員

 社民党の日森でございます。
 ちょっと、行革関係は先ほど御答弁いただいてほぼ理解できたんですが、第三条第二項で、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進は、行革の基本方針との整合性を配慮して行わなければならないというふうに書いてございました。基本方針というのは何を指すのか、ちょっと不明なんですが、行政改革の重要方針であるとか、あるいは行革推進法で言われているところだというふうに思います。
 そうすると、この整合性を考えていくと、当然、一律人員削減とかいうことが出てくるわけで、整合性に配慮をしていくと、実は、これだけしっかりと研究開発を充実していこうということと矛盾が出てくるんじゃないか。
 先ほどおっしゃったとおり、この行政改革が研究機関や独立行政法人、国立大学法人の経費を削減させていって、日本の研究開発に大きな障害になっているというふうにおっしゃいました。むしろ後退させてきたような面もあるのではないかということですから、もう一度、この行革の基本方針との整合性というのを、一体どういう意味でおっしゃったのか、むしろこれを越えてやっていかないと、実際に研究開発の向上というのは望めないのではないかという思いがあるので、改めてお聞きをしたいと思います。

鈴木(寛)参議院議員

 お答えを申し上げます。
 先ほども申し上げましたけれども、やはり日本は、特にこの十年間、研究開発人材への投資が、残念ながら、微増ではございますが、ほとんど伸びていなかった。一方、中国とかは、二倍とか、そのような勢いで充実をしているわけであります。欧米においても、それにまさに迫る。これは先ほど委員長からの提案説明にもございました。アメリカも、大統領競争力イニシアチブで、NSFというところが相当な予算拡充を行っております。そういう中で、研究開発力の強化のためにはまさに人材が必要だ、これが今回の法律をつくったまさに目的でございます。
 行革方針に照らして、こういうことでございますけれども、研究開発の分野とて、きちっと効率的、効果的に、重点的に資源の配分とかそういうことをやるということはもちろん当然であります。そのことを否定しているわけではないわけでありますが、御指摘をいただきました人件費につきましては、先ほど申し上げましたとおり、あえて法案第三十三条というものを盛り込ませていただいたのは、先生の御指摘をいただいたことを踏まえまして、特に卓越した研究者の確保とか研究人材の流動化というもので今相当な問題が起こっているということを、私どもも、例えばノーベル化学賞をとられた理化学研究所の野依先生などからも直接伺いまして、これは大変だということで、この行革法の運用に当たっては、研究開発法人の研究開発能力の強化ということをきちっとできるように配慮すべきだという規定を盛り込ませていただいたところでございます。
 ぜひとも御理解をいただきたいと思います。

日森委員

 もう一点。第八条で、「政府は、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならない。」というふうに規定をしているわけですが、「財政上又は金融上の措置」というのは具体的にどういう内容を想定していらっしゃるのか。例えば、伸び悩んでいるような科学技術関係の予算について、思い切って上積みをするとかいうことも含めて、いろいろな範囲があるんでしょうけれども、想定されているのか、お聞きをしたいと思います。

鈴木(寛)参議院議員

 お答えを申し上げます。
 財政上の措置といいますのはまさに予算執行、予算の確保についてでございまして、金融上の措置ということは政府関係金融機関を通じた融資等々を指しております。
 私ども立法者の意図といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、欧米各国あるいはBRICs諸国に比べて、ここへの特に公的分野の取り組みがこの十年間極めておくれてきた、そういう中で、特にライフサイエンスあるいは宇宙、こうした分野が相当、BRICs諸国に比べても、大丈夫なのか、そういう危機感のもとでこの法律をつくらせていただいております。
 この国会での御審議を踏まえて、ぜひ政府におかれては予算の確保、拡充に努めていただきたい、そういう思いでございます。

日森委員

 それはぜひ私どもも応援していきたいと思います。
 終わります。どうもありがとうございました。