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2009年05月29日平成二十一年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会

議長(峰崎直樹君)

 これより平成二十一年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会を開会いたします。
 抽せんにより、私が本日の両院協議会の議長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 この際、御報告いたします。
 衆議院の協議委員議長には衛藤征士郎君、副議長には鈴木恒夫君が、また、参議院の協議委員議長には私、峰崎直樹が、副議長には石井一君が選任されております。
 両院協議会は、国会法第九十七条の規定により、傍聴を許さないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務を執る職員以外の方は御退席を願います。
 それでは、平成二十一年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十一年度特別会計補正予算(特第1号)及び平成二十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)の三案について、各議院の議決の趣旨を御説明願いたいと存じます。
 先ほどの両議院の協議委員議長及び副議長打合会における協議に基づきまして、初めに衆議院の議決の趣旨について御説明を願います。鈴木恒夫君。

鈴木恒夫君

 衆議院における平成二十一年度一般会計補正予算外二案を可決した趣旨につきまして御説明申し上げます。
 昨年秋の米国発の金融不安により、世界経済は戦後最大の危機に直面しております。輸出への依存が高い日本経済は、海外経済の悪化の影響をまともに受け、生産活動が大きく落ち込み、そのことが雇用調整を引き起こすなど、国内においても深刻な影響を及ぼしております。
 これに対し、政府は、国民生活を守り、景気後退から脱出するべく、「景気対策三段ロケット」と呼ばれる総額七十五兆円規模の一連の経済対策を打ち出しました。これらの政策は実行に移され、着実に成果を上げているところでありますけれども、経済情勢はまだ予断を許さない状況にあり、もう一段の対策を行い、日本経済の後押しをする必要があります。このため、政府は、景気の底割れを防ぐだけではなく、生活者の安心を確保すると同時に、未来に向けた経済成長政策を推し進める「経済危機対策」を策定いたしました。平成二十一年度補正予算は、この「経済危機対策」を実行に移すために必要な財政措置でございまして、景気回復と将来に向けての成長を実現するために、その一日も早い成立が待たれているものであります。
 以下、政府原案を可決した主な理由について申し述べます。
 その第一の理由は、景気の底割れを回避するために、雇用対策・金融対策などの適切な対応策を打ち出していることでございます。
 雇用対策としては、雇用調整助成金及び中小企業緊急雇用安定助成金の助成率の引上げ、雇用保険が支給されない人たちへの支援策、地方公共団体における雇用・就業機会創出のための緊急雇用創出事業の拡充などの総合支援策を行うことといたしております。
 金融対策では、中小企業の資金繰り対策として、緊急保証枠の拡大、政府系金融機関によるセーフティーネット貸付けの拡大を行うほか、中堅・大企業の資金繰り対策も実施することといたしております。
 その第二の理由は、中長期的な成長を実現するため、「低炭素革命」、「健康長寿・子育て」、「底力発揮・二十一世紀型インフラ整備」の三つの分野を重点的に推進することとなっていることでございます。
 「低炭素革命」では、公立小中学校への太陽光パネルの設置拡大、環境対応車・省エネ家電の普及拡大のための買換えへの支援等を行うこととなっております。
 「健康長寿・子育て」では、介護職員の待遇改善、介護基盤の緊急整備、地域医療再生のための総合対策、子育て応援特別手当の拡充、安心こども基金の拡充等を行うこととなってございます。
 「底力発揮・二十一世紀型インフラ整備」では、農地の有効利用等による食料自給力の向上、三大都市圏環状道路や主要都市間の道路等の整備による国土ミッシングリンクの結合、スーパー中枢港湾の機能強化等を行うことといたしております。
 その第三の理由は、国民の安心と活力をもたらすため、防災・安全対策に取り組んでいることでございます。そのために、公立小中学校の耐震化の推進、ゲリラ豪雨対策、洪水・高潮対策、公共交通機関のバリアフリー化等の交通安全確保策を行うことといたしております。
 以上、政府原案を可決した主な理由について申し述べました。
 平成二十一年度補正予算は、我が国が直面する様々な重要課題に対処し、国民生活の不安を解消するために必要不可欠なものであり、その一日も早い成立が望まれているところでございます。
 両院協議会といたしましては、衆議院の議決どおり意見の一致を見ますよう、御賛同をいただきたく、お願い申し上げる次第でございます。
 以上であります。

議長(峰崎直樹君)

 次に、参議院の議決の趣旨について御説明を願います。森ゆうこ君。

森ゆうこ君 参議院の議決の趣旨説明を行います。
 参議院側が平成二十一年度一般会計補正予算外二件を賛成少数で否決した趣旨を申し上げます。
 否決の第一の理由は、予算の単年度主義の趣旨に反し、四十六もの基金を通じて多年度にわたって支出を行おうとしている点であります。
 我が国の予算は、会計年度ごとに国会の審議を受け、議決を経なければならないことが憲法に定められております。しかるに、本補正予算では、緊急人材育成・就職支援基金や農地集積加速化基金など、四十六の基金に対して四兆三千億円もの予算が配分され、多年度にわたって支出が行われることとなっております。かかる基金からの支出は、毎年度の国会の議決を要しない点で憲法の理念に反するものであり、財政の現状を国民の目から遠ざける許し難い手法であります。特別会計や独立行政法人などの透明性が強く求められているにもかかわらず、基金という新たな隠れみのをつくり出す政府の姿勢を厳しく非難するものであります。
 否決の第二の理由は、官庁や独立行政法人などの施設整備費として巨額の予算が計上されている点であります。
 本補正には、歳出総額の二割に当たる二兆九千億円もの施設整備費が計上されており、「地域活性化・公共投資臨時交付金」として地方に配分される分を除いても、一兆五千億円もの予算が官庁や独立行政法人などの施設整備に使われることになっております。二十一年度当初予算の成立からわずか一か月の間にこれほどの施設整備を行う理由が生じたとは到底考えられず、景気対策に便乗した役所のお手盛り予算というほかありません。アニメの殿堂と言われる「国立メディア芸術総合センター」に百十七億円もつぎ込むくらいなら、母子加算の復活や子育て支援の拡充に使うべきというのが国民の声であり、これに反して従来型の箱物整備を大々的に推進する政府には、もはや景気対策を作成する資格はないと言わざるを得ないのであります。
 否決の第三の理由は、その場しのぎの対策の寄せ集めばかりで、深刻な日本経済や国民生活を改善させる効果が全く期待できない点であります。
 所得環境の悪化で厳しい生活を強いられている子育て家庭への支援策は、三万六千円を一回だけ給付するという本来の子育て支援とは程遠いものであるほか、雇用対策にしても、求職者支援や緊急雇用創出事業など、ほとんどが期間限定の措置であり、まさに場当たり的施策の乱発というほかありません。このような施策に国民の生活不安を解消する力は全くなく、我が国経済を内需主導型経済に転換させる効果も到底期待できないことはだれの目にも明らかであります。
 否決の第四の理由は、政府経済見通しを改定したにもかかわらず、二十一年度の税収見積りを修正していない点であります。
 我々は、当初予算の審議中から、二十一年度の経済成長率がゼロ%という政府経済見通しは楽観的過ぎるとして見直しを求めておりましたが、政府は遅ればせながら補正予算の編成に合わせてマイナス三・三%に下方修正しました。経済危機対策の経済効果はほとんど期待できないことから、この数字もなお非現実的でありますが、更に問題なのは税収見積りを修正していないことであります。マイナス成長になれば税収が減少することは当然であるにもかかわらず、本補正で減額修正を行わなかったのは、国債の新規発行額を税収以下に抑えるという体裁にこだわったからに違いありません。このような小手先のつじつま合わせをしたとしても、今年度中の税収の減額修正と国債の増発は必至であり、財政の姿をゆがめる政府の手法は断固容認できません。
 このように、否決の理由は多岐にわたりますが、両院協議会としましては、参議院側が指摘した諸事項を除去することによって平成二十一年度補正予算三案が成立できるよう、御協力、御賛同いただきたくお願い申し上げる次第であります。
 以上でございます。

議長(峰崎直樹君)

 以上で各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。
 これより協議に入ります。
 順次御発言願います。鈴木寛君。

鈴木寛君

 民主党・新緑風会・国民新・日本の立場から、平成二十一年度補正予算三案に反対した理由を申し上げます。
 初めに、麻生政権は、我々が再三その欠陥を指摘する中、二十一年度当初予算の成立こそが最大の景気対策だとしておきながら、そのわずか一か月後に過去最大の無駄遣い、十五兆円に上る補正予算を提出をいたしました。この麻生内閣の経済分析、政策立案能力の欠如を強く憂慮するものであります。
 反対理由の第一は、本予算の本質が選挙時にマシンとなる天下り団体等への資金補給であるからであります。現に、予算のほとんどは政府部門内での資金移動であり、本予算で現在確定している家計、企業部門への直接支出は総予算の実に二%余りにすぎず、速やかな景気浮揚効果はほとんど期待できません。我が党が主張する恒久的な子育て支援や病院や介護施設の報酬増、さらには高速道路料金や高校授業料の無償化により家計の可処分所得を増やすことこそが国民生活の安心と内需拡大型経済への転換に必要な施策であります。
 第二は、新規の三十を含む四十六もの基金への四兆円を超える交付金の問題です。
 交付金を基金にプールし具体的な事業が決まり次第順次支出していくというやり方は、結局は予算消化のための無駄遣いの温床となってしまいます。また、今回、国債発行に伴い利払いだけで七百六十八億円が計上されておりますけれども、過去に補助金により造成された基金におきまして多額の使い残しが発生し、国庫返納が行われているという事実がございます。つまり、返納、いわゆる使い残し、返納があった場合に、その調達に要した利払いは全く無駄になってしまうという不合理を抱えているわけでございまして、基金乱造というのは極めて問題だというふうに考えております。
 第三は、補正予算に計上すべきでない経費が多数盛り込まれていることでございます。
 財政法上、補正予算には当初予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費しか計上できないにもかかわらず、本補正には、官公庁の施設費、道路や新幹線整備など、この財政法違反の疑いの濃厚な多額の経費が入り込んでおり、断固容認することはできません。
 第四は、新型インフルエンザ対策など危機管理の視点が欠如していることであります。
 政府の予算はワクチン開発にとどまっております。その他の措置が含まれておりません。第二波の到来が確実視されている中、診断、相談、診療、治療体制の不備が審議でも明らかになりましたが、この最も重要な対策の経費が計上されておりません。こうした課題に対応することがまさに補正予算の本来の意義であり、こうした予算こそ基金にふさわしいとの観点から予算の組替えを求めましたが、これが実現されなかったことは極めて遺憾でございます。
 第五は、本補正予算の財源を安易に埋蔵金や国債に依存していることでございます。
 政府は特別会計の埋蔵金を本補正を含め一連の予算編成の財源として急速に取り崩してきましたが、そもそも特別会計の積立金は国民共有の資産であり、国民生活の安定や景気回復に寄与しない無駄な施策への流用は到底認めることはできません。また、国債による財源調達は将来世代への負担の転嫁にほかならず、本補正のごとき無駄な使途に対する無節操な国債増発は我が国の将来に禍根を残すものと考えます。
 以上、主な理由としてもこれだけの問題がありますことから、民主党・新緑風会・国民新・日本は本補正予算案に反対したものであります。
 以上でございます。