すずかんの医療改革の「今」を知る(2006年12月号)
第14回「難病患者への助成を抑制するのは政治の役割放棄です。」
特定疾患治療研究事業をご存知でしょうか?完治させる方法が見つかっておらず患者数も少ない特定疾患、いわゆる「難病」の認定を受けた患者さんに対して、医療費自己負担分の全額ないし維持部を、治療研究の協力費という名目で、公費助成する制度です。現在、特定疾患は121あり、そのうち45の疾患が対象となっています。
難病の患者さんは、生涯にわたってその病と向き合ってゆかねばならず、また薬剤、手術などに関わる費用は患者数が少ないために高額です。病気のために一家離散する例や失業する例も多く、経済的、社会的、肉体的、精神的に大きな負担を強いられています。そして民間保険に加入することすらできないため、この事業が命綱となっているのです。
ところが、8月に開催された「平成18年度第1回特定疾患対策懇談会」において、45疾患に含まれるパーキンソン病や潰瘍(かいよう)性大腸炎などをターゲットに、患者数5万人を超えた疾患についてはこれを取り消す、またはこれを超えないように認定患者数を制限するという方針が打ち出されました。
私は「全国パーキンソン病友の会」の方々から相談を受けていますが、こんな血の通わない話があってよいものでしょうか。本人に責任のないことで困窮している、そんな人たちを救うためにこそ国や政治はあるはずです。患者数が5万人を超えたからといって、医療費や薬剤費が劇的に下がるわけではありませんし、本来であれば121の特定疾患すべてを事業対象にすべきなのに、対象を狭めようというのは、とんでもない話です。国民に健康で文化的な生活を保障した憲法第25条違反です。
今回のことは医療費抑制の起きています。しかし、この2つの難病を認定から外すことによって、どれほどの費用が浮くというのでしょう。社会保険庁の無駄遣いや無駄な公共事業への税金垂れ流しに比べれば微々たるもの、1桁も2桁も小さいことは間違いありません。
政治の役割の原点に立ち返れば、治療研究の協力費などというお金の出し方ではなく、すべての特定疾患の医療費を公費助成し、同時に治療法確立の為の研究費を出すことが必要だと思います。皆さんは、いかがお考えでしょうか。
