1-1 コミュニティスクールを1000校に
Ⅰ コミュニティ・スクールとは
コミュニティ・スクールとは、地域の方々の意見が積極的に反映され、保護者、地域、教育関係者が協力し合って運営する学校のことです。コミュニティ・スクールは、従来のトップダウン式の教育システムきではなく、学校・地方自治体・地域・国が子どもを包み込む「学びの共同体」であり、現在大きな問題となっている教育の崩壊に歯止めをかける手段として注目されています。
コミュニティ・スクールには、保護者・地域住民から成る学校運営評議会が設置されます。学校運営評議会は、校長の定める教育方針や、教員の採用・任用に関して相当程度の拘束力のある意見を述べることができます。従来の PTA に比べて、より保護者や地域住民の声を教育に反映することができます。
さらに、地域住民や保護者は、ボランティアとしてコミュニティ・スクールに登録し、補習授業や学校の美化、交通安全運動などに参加します。現在、コミュニティ・スクール一校ごとに約 150 ~ 250 人のボランティアがいますが、教師にとって大きな助けとなっています。
コミュニティ・スクールにより、地域住民、保護者、そして教師が自分のできることを持ち寄って「コラボレーション」し、それにより負担が減った教師は、より子供一人一人に接する時間を増やせるという理想の教育現場が実現するのです。
Ⅱ コミュニティ・スクールのあゆみ
平成 19 年、 195 校にまで広がるコミュニティ・スクール。6年前には、たった一冊の本しかありませんでした。すずきかんが、それを法制化し、全国に広げました。
98 年 「ボランタリー経済の誕生」出版 コミュニティソリューションの概念を提唱
99 年 慶応大学助教授時代、鈴木寛は金子郁容氏らとともに「コミュニティ・スクール構想」を著す
02~04 年 コミュニティ・スクールのモデル事業が展開される
予算は 1 校あたり 350 万円、 7 ヶ所 9 校
04 年 すずきかんと河村文部科学大臣 ( 当時 ) のイニシアチブにより、コミュニティ・スクール法制定
コミュニティ・スクールの取り組み例
例1 杉並区和田中学校 ( 東京都 )
地域のボランティアが「地域本部」をつくり、学校の運営を支える。 PTA の OB が地域本部の事務局長を務め、授業の補習や校庭の管理などを地域ボランティアの力によって行う。これらの業務を地域本部が担うことで、教員は自分たちにしかできない職務に専念できる。コミュニティと教員がうまくコラボレートすることで、子供にとって素晴らしい学習環境を整えることに成功した。
例2 足立区立五反野小学校 ( 東京都 )
学校理事会を設け、教師の教育力向上に努めている。理事会は地域住民、保護者、学校長、教育専門家から成る。教師の指導力向上のための研修会、勉強会の開催やコミュニティによる授業評価を、学校理事会が主体となって行っている。
例3 三鷹第四小学校 ( 東京都 )
職員室の横に「夢育支援ネットワーク」という NPO の事務局を設けている。この NPO は地域のボランティアを統括するもので、年間のべ 3000 人の地域・保護者ボランティアが CT( コミュニティ・ティーチャー ) 、 SA( 学習アドバイザー ) 、きらめきボランティアとして活躍している。
例4 御所南小学校 ( 京都府 )
毎週月曜日に 2 時間ほど、地域コミュニティの方々が学校に集まり、学校の清掃美化活動やパソコン教育、祇園祭の準備を行っている。そういった地域コミュニティの活動では、地域住民、保護者、教員が三位一体となって協力する。教師が地域と日々接することによって、教員の指導力は大きく向上している。
コミュニティ・スクールは、195校が設立されることが決まっています。(平成19年現在)京都府京都市、東京都三鷹市、島根県出雲市は全小中学校をコミュニティ・スクール化することが決定しました。
Ⅲ 土曜学校と放課後学校の広がり
いきなりコミュニティ・スクールを導入するのは、やはり困難が伴う場合もあります。そこで、すずきかんはコミュニティ・スクールへの移行段階として、「土曜学校」「放課後学校」の設立も推進しています。
土曜学校、放課後学校とも、保護者、地域の方がボランティアとして多数登録、活躍しています。
<土曜学校>
02 年 六本木土曜学校を開設、すずきかんが校長に就任
03 年 「地域子ども教室推進事業」として、予算 (3 年間、一年あたり平均約 70 億円 ) が付く
07 年 全国で 8,300 校に広がる
出典:「地域子ども教室推進事業 ( 放課後こどもプラン全国地方自治体担当者会議資料 ) 」
<放課後学校>
07 年 文部科学省と厚生労働省が連携して実施する「放課後子ども教室推進事業」として、 3 年間の事業として、予算が付く (3 年間で約 200 億円、平成 19 年度は 68 億円 )
この「放課後子ども教室推進事業」は、 8300 校の土曜学校を可能な限り放課後学校に発展させ、更に放課後学校を 1700 校開校するという計画です。
参考:子どもの居場所づくり HP
すずきかんは、 6 年間でコミュニティ・スクールを新しく1000校つくります。
土曜学校、放課後学校に指定された学校を、将来的にコミュニティ・スクール化することを考えます。
全く経験のない学校にコミュニティ・スクールのシステムを導入するには時間と労力がかかりますが、地域ボランティアの方々の参加などについてノウハウは十分蓄積しているとかんがえられ、土曜学校・放課後学校の多くはコミュニティ・スクールへの移行が比較的容易にすすむと考えられます。そのため、土曜学校、放課後学校導入時に、設立指導員・設立コーディネーター設置の予算 ( 合計 81 万円 ) は必要ありません。
コミュニティ・スクールに対しての国の予算は、平成 18 年度で 90,043,000 円でした。このとき、 133 校 ( 新規校は 63 校 ) が対象になっています。これを一校当たり単純に割ると、およそ 67 万円になります。この数字を目標の 1000 校で掛けると、 6 億 7 千万円の予算が必要となります。
出典:「地域子ども教室推進事業 ( 放課後こどもプラン全国地方自治体担当者会議資料 ) 」